ちなみにヨーロッパの引き渡し先さえ何とかなれば、動けないわけではない。
かねがね国内が基本やと思ってる人たちは、海外営業から東京の営業所へ人をやりたいと思ってる。
そして東京には、留学経験がありながら国内営業にいる同期がいる。


けどそれは本社側の大阪に戻ってくることが前提になる。要するに出世候補になる。
国内営業から海外営業に来た才色兼備先輩が、現在のところ先鋒。
海外子会社やらで女性の取締役や工場長、部課長を見てきたうちのえらいさんが
何とか女性を出世させようと思ってる。


リスクが大きいけど。技術的な話ですら、国内海外それぞれで積んだ経験はほとんど役に立たない。
直接販売が多い国内と、基本的に代理店か子会社を通す海外で手法もいる知識も全然違う。


女帝様との関係もあるにしろ、才色兼備先輩は一時「東京に戻らせてくれなければ辞めます」と
言いそうになる一歩手前まできていたらしい。
そんなしんどい異動なのに、実家から遠ざかるのは嫌やなとか。しませんけど。渡す相手いないし。


そういえば、うちのオフィスには女帝の他にお局様もいらっしゃいます。
彼女の治世はとても穏やかなので、あと何十年かはうちも平和なはずです。
それで何でお局様なのかというと、そういうことなのです。